”キレイ”な愛
「ん?
 デート?」


涼はしらっと答えた。


「だって、昨晩、待ってたって」

「うん、おまえを捕まえる機会」


綺樹はむっつりとした顔でコーヒーカップに口をつけた。


「ああ、そう」


指でいらいらと机を叩く。


「それで、狙いはなに?」

「なんだそれ」


前から思っていたが、綺樹は結構めんどくさい女だ。


「おれ、好きだって言ったと思ったけど」


綺樹はじろりと睨んだ。


「言ってたな」

「だったら自然だろう。
 一緒にどこか出かけるって」

「寝たいの?」
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