”キレイ”な愛
*
テレビで見たことがある。
行ったことがあるかと聞くと、綺樹はそう答えた。
地下鉄に乗ろうとしたら、一瞬躊躇した。
「地下鉄で行くのか?」
怯えたように目を見開いている。
「NYと違って、安全だよ」
「ああ、うん」
そういいながらも、乗るとドアの隅に身をひそめ、両腕を体に回していた。
過去に何かあったのかもしれない。
涼は路線図を見上げて、違う路線で行く見当をしていると、腕をつかまれた。
「大丈夫だ」
「別にこれを使わなくても行けるし」
綺樹は首を振った。
「いつまでもこのままでいいわけないから。
克服しないとね」
薄く自嘲して暗い窓の外に視線を向ける。
テレビで見たことがある。
行ったことがあるかと聞くと、綺樹はそう答えた。
地下鉄に乗ろうとしたら、一瞬躊躇した。
「地下鉄で行くのか?」
怯えたように目を見開いている。
「NYと違って、安全だよ」
「ああ、うん」
そういいながらも、乗るとドアの隅に身をひそめ、両腕を体に回していた。
過去に何かあったのかもしれない。
涼は路線図を見上げて、違う路線で行く見当をしていると、腕をつかまれた。
「大丈夫だ」
「別にこれを使わなくても行けるし」
綺樹は首を振った。
「いつまでもこのままでいいわけないから。
克服しないとね」
薄く自嘲して暗い窓の外に視線を向ける。