”キレイ”な愛
唐突に笑うのを止めると、真っ直ぐ再び見上げた。


「止めとけ」


仕事の時は、こういう感じなのかもしれない。

無表情で、感情の無い目。

冷たい声。

涼はそんな風に思いながら、綺樹の顔を見下ろす。


「なにを?
 なにをやめるの?」

「私と関わるのを」


涼は腕を組んだ。


「う~ん、それ、無理かも」


あっけらかんと返されて、綺樹は詰まったような顔をした。

口を開いて、閉じる。

そしてため息をついていた。
< 44 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop