”キレイ”な愛
だが不安定さゆえに、アメリカから離れるわけには行かない。

日本には綺樹を置き、手足として動かす計画だった。

そんな遠隔操作でも十分効果を上げるのには、このパーティーは重要だ。


「そうそう、そこの後継ぎはなかなか良さそうらしいわ」

「ふうん。
 どういう意味で?」


綺樹はつまらなさそうな相槌を打った。


「人にカリスマという才能があるのならば、そういうことよ」

「カリスマ。
 そんなのピンからキリだ。
 さやか以外は眉唾だね」

「ありがとう」

「どういたしまして」


綺樹はかしこまって頭を下げて見せた。

「でも、もしそういう才能が彼にあるのならば。
キリでも貴重よね」
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