”キレイ”な愛
  *

綺樹は重いまぶたを開けた。

しばらくぼんやりしてから、目の前の男の肌を指で少し押してみた。

肌がぴんと張っていて、みずみずしい。

10代の男の肌はこんな感じなのか。

いつも引っ掛ける男は年上ばかりだ。

後腐れがなく、割り切って遊ぶのに慣れた年齢。

涼との体の重ね方を思い起こす。

この年にしては経験が多いから、まだ綺樹の反応を見ながら進める余裕が、少しはあるようだった。

でもやっぱり事の進め方は性急だ。

ちょっとおかしくなって綺樹は微笑した。

終わったと思ったら、すぐ次があって。

着いていくのが大変だった。

若いんだな。
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