”キレイ”な愛
「くすぐったい」


涼がくぐもった声で言った。

綺樹は手のひらで涼の胸に触れていた。

目を覚ました涼は身動きして時計を探した。


「まだ早いじゃない」


時計を探すために伸ばした身体を、綺樹を囲い込むように縮める。

背中に回した指でなぜ、目を閉じたまま綺樹の顔にくちびるを這わせ、あわせる
くちびるを探す。

それに気付いた綺樹は涼の顔に手を添えると、ぐっと方向を修正し、くちびる同士を押し付けて離した。

涼は目を閉じたまま、くくくと笑う。


「遠慮が無いな」


綺樹は片眉を上げてからベットから降りようとした。
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