”キレイ”な愛
綺樹はカードをめくっていた手を止めて、無表情に近くさやかの顔をみつめた。


「なんだって?」

「そういうの得意でしょう?
 既に知り合いみたいだし?」


綺樹はカードの束をデスクに置いた。


「落とせってこと?」


不愉快そうな調子と反対に、さやかは愉快そうにころころと笑った。


「ライナに釘刺されているから、無理」


そっけなく言うと椅子から立ち上がった。

ぐっと伸びあがる。


「さて、帰るかな」


打って変わって軽やかに言った。
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