”キレイ”な愛
「目立つ?」

「そうね。
 前に屈んだら襟元からのぞく所だから、大丈夫じゃないかしら」

「よかった」


綺樹はまとまった書類を抱え上げた。


「うまくいったみたいね」

「うまく?
 さあねえ。
 どうでしょうねえ」


投げやりな言い方にさやかは少し眉を上げた。


「元々、来る者を拒まず、去る者を追わずの性格だからね。
 ライナいわく、私が珍獣だから興味があるのかもしれない、だそうだし。
 早々に飽きて、綺麗に忘れちゃって、ダバリードに役に立たないかもよ」


ドアを開けて、さやかを通す。
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