”キレイ”な愛
6.
  *
忙しいと言っていた言葉は嘘ではなかった。

ほぼ毎日、深夜にならないと帰ってこなかった。

夕食が無駄になるので、会食が入った時は電話をくれるように言った。

深夜に帰ってきても、涼が用意した夕食を必ず食べる。

涼も深夜になることがわかってから、消化の良い物を控え目に用意するようになった。

それが良かったのかも知れない。

食べ終わるとリビングのソファーに横になり、ワイングラス手にしばらくテレビを見る。

BBCやABCなどのニュースも見るが、ほとんどネイチャー系のドキュメンタリーだった。

流石に毎日学校がある涼はそこまで付き合えなかった。

寝てしまって、帰ってきたことに気付かない日もあった。

だけどいつも朝、起きると隣に寝ていて、その姿を見ると涼の口元は緩む。

寝顔はあどけなくて。
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