”キレイ”な愛
眺めていると、時々歯止めが効かない。

腕を伸ばして、くちびるを合わせ、ボタンを外し始める。


「学校は?」


寝起きの悪い綺樹は、いつもぼんやりした声で聞く。


「なんとかなる」


完全に遅刻だが、涼はいつもそう答えた。

朝の時は夢うつつで、綺樹はされるがままだった。

終わると慌ただしくシャワーを浴び、ばたばたと着替えて出ていく涼に向かって、眠そうに“いってらっしゃい”と声をかける。

涼が出て行った後は再び眠っているようだ。
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