”キレイ”な愛
信二だけでなく部員全体のテンションが高かった。

さっさと終わらせて帰りたいと思っているのは、自分だけのようだ。

涼は口をつぐむとひたすら筆を動かす。


「そういえば、真湖が、この頃おまえが部活にあまり来ないし、来ても終わるとさっさと帰るし、で心配してたぞ」


真湖はマネージャーだ。

何回か寝たことがある。

でも他に何人かいることを伝えてあるから、“彼女”ではないことはわかっているはず。

綺樹と一緒に住むことになってから、今までの彼女たちとは関係を絶っていた。

携帯にもほぼ留守電だ。

綺樹に、他にも体の関係がある女がいると思われ、綺樹自身に男が出来ることを、何よりも避けたかった。
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