”キレイ”な愛
「ふうん」


涼は気のない返事をする。


「真湖、おまえのこと好きなんじゃない?」


信二はさり気なく言う。

知っている。

だから今日も距離をとっている。

それに我慢ならなくなったらしく、誠の家のガレージで作業している時に、隣にやってきた。

ドラッグストアで売っているようなコロンが香る。

「どう?
 できてる?」


改めて真湖を眺めた。

白いブラウスの袖を捲り上げ、短いプリーツスカートにポニーテール。

うっすら化粧がしてあって、いかにも高校生らしかった。
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