”キレイ”な愛
「ん?
 もうすぐ家。
 今日の会議がドタキャンになって。
 仕事をする気も失せたから、久々に早く上がった」


なんでそういうのが、よりによって今日なんだよ。

涼は携帯を握りなおした。


「なるべく早く帰る。
 それまで冷蔵庫の中にあるもの、適当に食ってて」

「んー?」

「綺樹」


思わずきつい口調になった。


「いいよ、めんどくさい。
 適当にする」


出た。

この言葉が怖かったのだ。
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