4th.Saudade
梨乃のことだから、告白しても
「どうしたらいいかわかんない」
とか言って、俺を避けそうだもん。
やっぱり彼氏って響きには憧れるけど、今の『仲がいいの男友達』ってポジションも捨てがたい。
梨乃は人気あるけど、実際話すのって俺と葵くらい。
だから男の中では1番そばにいるつもり。
告白して、その立場を無くしたくない。
でもそろそろ限界かなー……。
「梨乃、何で俺のこと見てるの?」
教室のはじから、教室の真ん中にいる梨乃に話しかけた。
クラスがうるさいから、少し大きな声になった。
「見てたら、わかるかなって」
「何を?」
「祐のすきなひと」
俺の周りにいた友達全員が、哀れみの目で俺を見たのは、言うまでもない。