4th.Saudade
苛立ち
祐を見つめ続けて3日。
……わからない!
誰だよ、すきなひとって。
祐のすきなひとを知りたいっていうより、あたしだけ知らないのが悔しい。
祐はあたしのこと、友達だと思ってくれてないのかな。
……腹立ってきた!
だんだんいらいらしてきたあたしは、祐に冷たく接するようになってしまった。
「梨乃、今日俺部活出ないんだけど、一緒に帰らない?」
「一人で帰れば」
そう言うと、祐はいつもの笑顔を消して、不安そうな顔をする。
そんな顔するなら教えてくれればいいのにさ……。
「怒ってるの? 俺何かしちゃったかなぁ?」
祐はすごく落ち込んでいるようだ。
あたしも逆の立場だったら、たぶんすごく落ち込む。
……でも仲間はずれって嫌。
「あたし、祐を友達だと思ってた」
「へ?」
「祐はそうじゃないなら、もういい」
あたし、友達以外とほとんど話さないし。
上辺だけの知り合いと話す意味って、あんまりないと思う。