4th.Saudade
「祐見てて思った。だから誤解されないように関わらなかっただけ」
嘘です。
別に祐と由美子ちゃん、特に仲がいいわけじゃないし。
でもこう言ったら丸く収まりそうだし。
「えぇ!? そんな理由だったのかぁ。
すごい落ち込んでたんだよ! しかもすきなひと、由美子ちゃんじゃないし!」
扱いやすいなぁ。
本当にあたしがそんな理由で避けてると思ってたのか。
バーカ。
「そんなこと考えないで、今まで通り仲良くしてよ。ね?」
「うん」
祐はうれしそうに言った。
ま、いっか。すきなひとなんて、いずれわかるだろう。
「で、一緒に帰ってくれる?」
「いーよ」
「よっしゃ!」
っていうかもう一緒に校門出てるじゃん。