4th.Saudade
「何だかんだで瑞希といるのは楽しいし。
俺はちゃんとした彼氏やってるよー?」
「……知ってる」
結局は、瑞希一筋ってことか。
でも何かすっきりしないなぁ……。
いろいろと考え込んでるあたしに対して、葵はうーん、と伸びをしていた。
「梨乃は、どうなの?」
「何が?」
「恋とか」
葵は気付いてないに決まってる。
それでいい。
でも直接本人に言われると、やっぱりちょっと切なくなる。
「祐と仲いいじゃん? どうなの、あいつとは」
何なの、みんなして。
みんなしてあたしと祐をくっつけたがる。
「祐、すきなひといるじゃん」
「あー……。梨乃誰か知ってるの?」
「教えてくれない」
思ったより不機嫌な声が出てしまった。
のけ者は嫌。
祐とあたしは仲いいと思ってたのにさ。