4th.Saudade
「あのねぇ。みんなあたしと祐付き合わせたいみたいだけど、祐にはすきなひといるから」
第一、あたし以外の二人はすきなひとが誰か知ってるんでしょ?
なら薦める必要ないじゃん。
そんなことでわざわざ祐の家に呼び出されたのか?
「梨乃ってさぁー、俺のこと全然男としてみてないよね」
「は? 祐男じゃん」
そう言うと、更にため息をつかれてしまった。
どうやらあたしは検討はずれな答え方をしたようだ。
だって祐が男なことぐらい、とっくに知ってるし。
「そういう意味じゃなくて。
俺を男として意識してないよねってこと!」
「そう? 男友達だと思ってるけど」
この発言に対して、葵がまたしても「かわいそー」とつぶやいた。
何なんだ……。
「梨乃は、祐の言ってる意味、本気でわかってないの?」
瑞希が聞いてきた。
本気も何も、普通に会話してるじゃん。
人間って難しい。
言ってる意味がまるで理解できない!
「じゃぁ逆に、祐の好みは?」
祐に聞いた。