朝の気分
１
俺はネクタイを締めながらリビングのドアを開けた。

　リビングの窓から朝の光が注いでいい気持ちにしてくれる。

　朝食を終えた、俺はリビングにあるソファに座り机に新聞を見ていた。新聞には昨日のテレビでやっていた事件が載っていた。

　音が聞こえる。その音はゆっくりと俺の耳を掠めた。　

　音はキッチンから聞こえた。

『貴方、もう少しで出来るわよ』

　妻の声が聞こえた。

　キッチンで妻が手動のミルで珈琲の豆を研いでいた。一回一回の研ぐ音がすることに珈琲の匂いがリビングを包み込むような感じだ。

　朝はいつも仕事の行く前に珈琲を飲むことになっていた。

『今日はなんだい？』

　俺は新聞をソファに置きキッチンに向かった。

『今日はインド産の豆とアルジェリア産の豆をブレンドしたの』

　妻は手動のミルを回しながら笑顔で答えた。

『ほう、それはおいしいのかい？』

『ええ、ジルが教えてくれたの、とてもあっさりして朝には丁度いいって』

　妻はミルを回すのを止めて珈琲を入れる準備を始めた。

『そうか、おいしいのか』

　俺はジルの顔を思い出しながら言った。

　ジルは隣に住む女性で一年前に隣に引っ越してきた。近くに珈琲店を開いてる。

　キッチンの棚の一部を見た。棚には、珈琲の豆の入ったビンが並んでいた。

　そのまま近くまでよりビンを両手で取った。ビンは両手に丁度入る大きさでその中に珈琲の豆がビンにいっぱいと入っていた。

　このビンで大体１０杯ぐらい飲めるわよ。

　前に妻を言った。

『これもジルからもらったのかい？』

　ビンにはインドと書かれていた。

『ええ、そうよ、珍しい豆でしょ』

　妻は笑顔で答えながらドリップにお湯を注いでいた。
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