腐りかけに
腐り
俺は走っていた。夜の街で人気がない道を走っていた。街灯が点々と頼りなく光っていた。
 そのまま裏路地に入り壁にもたれた。息が荒かった。
 ここで一息をつけたかった。俺は右手には拳銃をがっちり握っていた。
 となり木箱ありそこの拳銃を置きポケットから煙草とライターを取り出し口に咥えた。
 いい味だった。
 煙を吐いた。煙が一面に漂う。
 俺は煙草を右手で持ち左腹を見た。左腹はべっとりと服に染み付いていた。
 血が出ていた。さっきからものすごく痛みが伴っていたが、なんとか耐えていた。
 さっきの銃撃で撃たれたのか?
 俺は考えた。左手だべっとりと血の付いた服を覆いかぶせた。
 チ・・・
 舌打ちをした、触ると体全体に激痛が走った。
 俺はそのまま煙草を咥えた。
  腐った人生、この俺に合っているかもしれないな。
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