ギンモクセイ
僅かな休憩時間に、食事をとりに外へ出た。


普段見慣れた中庭にも、当たり前のように季節がうつろいでいる。


こんなところに咲いていたのか。


懐かしいな。


「キンモクセイが見たい」という彼女の願い。
ただそれだけで行動を起こした自分がいたっけ。

あれから十何年が過ぎようと、この花の記憶は君とのものだ。
この香りも。

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