ギンモクセイ
午後の回診で病室を訪ねた。

「こんにちは。谷山さんだね?
僕が担当の飯塚です。よろしく」

「飯塚先生・・・?」

顔を合わせた瞬間に、何とも言えない既視感が襲う。


肩までの長い髪。
透けるほどの白い肌。
大きなアーモンド型の瞳は
僕を見つめたまま。


ただ、違うのは・・・

年齢。


「先生、私・・・大学に行きたいんです。
だから手術して、元気になりたい」

そう、目の前の彼女は
希望に満ち溢れた高校生だ。

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