小さなチョコの大きな恋物語

『そんなに心狭い女じゃないから~!!』


美紀は大爆笑しながら近くにあったベンチに座った。


『最初は柚子ちゃんて結構モテるけど、どこがいいのか分からなくてさあ。何で?って聞こうとしたんだよね。そしたらなんか柚子ちゃんも辛い恋してるみたいでさ~意気投合しちゃって。』


あああ…
陸ちゃんの前で辛い恋とか言わないでほしかったな…


「まあそんなかんじだけど…なんかごめんね?陸ちゃん。」


『もー』


陸ちゃんはあたしの隣に来て座り込んだ。


『本気で心配した。』


え……

本当に安心した表情をしている陸ちゃんを見るとちょっとドキッとしてしまう。


「あ…ありがとね?」


『うん…』


陸は頭をくしゃくしゃっとすると立ち上がった。

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