小さなチョコの大きな恋物語

『柚子…?大丈夫?』


陸ちゃんの声で現実に引き戻される。


『愛海!!』


あたしは無意識のうちに立って叫んでいた。

愛海と慎が戸惑う。


『柚子!!やめとけって!!』


小刻みに震えるあたしを陸は必死に止める。


『陸ちゃん。黙ってて。』


そのとき愛海がはぁっとため息をついた。


『柚子、二人だけで話そう。慎くんと陸くんは先帰っててくれるかな?』


差美はそう言うともっと奥へ入っていく。


『ちょ…愛海!!待ってよ!!』


困惑した慎と不安そうな陸を置いてあたしは愛海の後を追った。


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