小さなチョコの大きな恋物語
『あたしが陸くん好きなの知ってたでしょ!?なのに、なに?陸ちゃん陸ちゃん。そんなに仲いいの見せ付けたいわけ?』
「違うよ!!幼馴染だからでしょ!!」
『それだけじゃない!!さっきだって二人で一番最後に帰ってきたし。陸くんだって…頑張っても頑張っても愛海のことは見てくれない。』
そう言ってあたしをにらんだ。
『ずっとあんたしか見ていない。』
「…………」
『悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて!!だからね、決めたの。お返ししてやろうって』
愛海はにやっと笑った。
『絶対傷つけてやろうと思った。だから慎くんと付き合ったの。一番つらいかなって思って。今愛海がうらやましいでしょ?慎くんと付き合ってる愛海がさあ。』
「そんなの…慎がかわいそうだよ…」
喉から絞り出した声でつぶやいた。
『そんなの知らないわよ。まーそういうことだから。じゃあね。ゆずちん♪』
あたしは愛海の立ち去る足音を聞きながら地面に座り込んだ。