小さなチョコの大きな恋物語

その夜…

俺は兄貴の部屋に乗り込んだ。


「兄貴」


『陸かよ。』


ベットの上で雑誌を読んでいる兄貴は起き上がって俺を見た。


『何だよ。』


「何だよじゃねぇよ。」


『柚子のことか。』


「分かってんじゃねぇか」


兄貴は俺を手招きする。

俺はそれをシカトした。


「兄貴悪いと思ってねぇの?」


『………』


「本当に柚子がツレはぶいたりすると思うのかよ。」


『そんなの思うわけねぇじゃん。今日ハッキリ言われて違うなって思った。』


「じゃあ何で…」


『愛海が俺の女だから。』


「は?」


『女のこと信じてやれねぇとか最悪だろうが。』


兄貴の目はすごく真剣だった。

< 162 / 167 >

この作品をシェア

pagetop