小さなチョコの大きな恋物語

いつもはだらだら30分かけてする準備を10分で終わらせ、家を飛び出した。


「柚子~!?」


『はーい!!!』


俺の外からの呼びかけに答える柚子。


俺は携帯を開いて時間を確認した。

8時27分。


「こりゃ間に合わねえなあ」


そんなことをつぶやきながらあくびをしていると、柚子の家の玄関が勢いよく開いた。


『あっ!陸ちゃん!!』


俺を見つけた柚子は嬉しそうに近づいてくる。


『もしかして待っててくれたの!?』


「まあね~」


好きな女を待つのは当たり前だろ!!


『ありがと!!でも遅刻だよね…』


柚子も自分の携帯を取り出して時間を確認した。


『31分…』


「ま、しょーがないんじゃねえ」


俺はゆっくり伸びをした。

ふと柚子を見るとなんとなく小さく感じる。

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