小さなチョコの大きな恋物語
涼は柚子に笑いかけると、俺を引っ張って階段に行った。
『あほかおまえは!!』
涼が俺に向かって怒鳴る。
「だってー…」
俺は耳をふさいで階段を登る。
『何でずっと黙ってるんだよ!!普段普通に話してるんじゃねえのかよ?』
「こうやって改まるとなんか話しずらいんだよ…」
涼ははぁっとため息をついた。
『もーいいよ…分かったことは…一杯あるしね。』
「え?何だよ。」
『あの柚子さんは慎さんのこと好きだね。でも慎さんが好きなのは水川愛海って子だと思うなあ。』
「何でだよ。」
『だって普通好きなやつ以外の行動ってあんまり知らないだろ。気にしないじゃん?』
「そこじゃねえって。兄貴が何でそのあの…み…水川?のこと好きなのか」
『あー。普通お前に好きなやつのヒント言うところからして俺は柚子さんではないと思うけどね。言えないと思うんだよな。それに愛海って子カワイイし。』
「そーなのかな…」
『そーだよ。まあ慎さんに聞いてみたら?』
「分かった…ありがとな。