小さなチョコの大きな恋物語
心違い
柚子は暖かい上着を着て、まだ肌寒い春の夜へ飛び出した。
それは昼休みが終わったあと…
『柚子…お願いがあるの。』
愛海がこそっと耳打ちをする。
「なあに?」
『さっきの男の子と連絡取れないかなあ。』
「え?しゃべってた子?」
『ううん、茶色いメッシュが入ってた男の子。』
「陸ちゃんのこと!?」
『あれれ~?愛海姫に恋の予感?』
すかさず芽衣が会話に入ってくる。
愛海の顔がさーっと赤くなっていった。
「陸ちゃんのメアドなら持ってるけど?」
『本当!?』
「うん。いいとは思うけど…今日の夜了解とってからメアド送るね。」
『ありがとう!!』
愛海は可愛らしい笑顔で笑った。