小さなチョコの大きな恋物語
とぎれとぎれだけど声が聞こえる。
『何?………帰り…いんだけど…』
『俺……で……お願いします!!』
『だから……ムリだって…』
『俺が……年下だからですか?』
ずきっと俺の心に入り込んでくる。
『……………。………』
強い風が吹いて何を言っているのか聞こえない。
俺は真剣に聞こうともっと身を乗り出した。
『ふ~ん。橘柚子ね』
後ろでギャル子が手を組んで立っている。
「は?」
『橘柚子が好きなんでしょ』
「え……ちょっ」
言い終わらないうちにギャル子は出て行ってしまった。