図書室の日記帳
夕陽のなかで[B]
学校の、裏庭。
燃え盛る、小さな炎。
僕らはそれを黙って見つめていた。
僕は、尾崎 佑樹。
本が好きで、図書委員会に所属する、高校2年生だ。
僕の隣にいる、彼女の名前は、高宮 咲希。
幼馴染みであり、同じく図書委員会に所属する、高校2年生だ。
僕の顔は、土に汚れていて、制服はうっすら茶色い。
目の前では、小さく燃えていたはずの炎が大きくなろうとしていた。
空は、炎と同じくらい紅い。
なぜ、こうなったのか。
順をおって話をしてみよう。
これはとても長い物語。
一人の女学生とその親友と。
20年の時を隔てて出会った僕らの。
長い長い、物語。