ジルとの対話

Chord D

況んや、夜露は土の薫りをさせる。
妖精の優しいイメージに夜を賑やかにする。
彼は帰り、密やかな喜びに浸り込んで宴の輩を増やした。
カードの同士たちは、寝る事を忘れ、夢のように集った。

星のステラに、冒険者のフランツ。悪魔のデビッド。

「キース、アメリカの話を沢山嬉しく思うよ。」

フランツが高らかに謳われ、冒険者の心を躍らせた。

「じゃあ、今度は自分の仲間もここへ呼んでやるよ。雑なやつばっかりで、気に入るかわからないけど。」
「キースの友なら大歓迎だ。」
ジルが答えた。
「ねぇ外に出ない？」
ステラが突拍子もなく尋ねた。
「外かいいね、今日は星が随分と輝いているんだよ。」
スターリンがニコニコとステラに言った。
「もう少しアメリカの話を聞きたいんたけど、ギター持って来て歌ってくれてるんだよ。」
フランツが言った。
「外で聞けば良いじゃないの。」
ステラが、キッとなってフランツに言った。
「ステラの言う事ききなよ。」
スターリンがフランツをなだめた。
「わかった！外で話そう。せっかくの夜なんだからね。」
キースも優しく、ステラに言った。
「夜は、昼間より光の数が多いのが解るかい？些細な光も我々の目に入るんだ。君は、星と窓の灯りと街灯とどれが好きだ？」
スターリンがキースに尋ねた。
「さぁどれも変わらないと思うな。」
とキース。
「しかし、窓の灯りと街灯は、ずっと遠くへは届いたりしないし、きっと宇宙人達にはわからないだろ。太陽のように大きなガスの塊じゃないと、人の作る灯りは、沢山いる自分の仲間に、しかも見ず知らずの人に作ったんだ。それは、自分自身と他人とが、全く別れていないある一個の生命体であると考えうる、という１つのセオリーじゃないかな？」
スターリンが言った。
「君は科学的だね。人間の意識を超えた、地球の精神みたいなのは、信じてないわけではないな。」
キースが答えた。
「インディアンのスピリットに似たようなのがあったけど、精神の問題は、いつも無視出来ないね。」
とキースが続ける。
「アメリカでは、大きな岩が窪んだ所があるだろ。グランドキャニオンだ、地球の生まれた時がこんなだったんだ。
「大きな世界だ。我々の手にはどうすることも出来ない大きな働きかけがあることは、よくわかる。見ることに関しては、決して隠されていないね。実際に見るとそんな風に思った。心の壁が無くなって、広い世界を