【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ参
「俺らもアジト探しするぞ」
病院を出たところで
奏太さんが言った。
「まずは乱舞のアジトの半径三十キロ以内だ」
「わかりました」
奏太さんは私にヘルメットを投げた。
ヘルメットをかぶって、奏太さんの後ろに乗る。
いまだになれないんだよね、しがみつく瞬間。
しがみついちゃえば平気なんだけど
そこに至るまでが…ね。
「落ちても拾ってやらねぇからな」
楽しそうに奏太さん。