【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ参
「どういうことだ」
「一か所は乱舞のアジトより三十キロ東に行った先にある、廃屋の工場。もう一か所は、乱舞のアジト」
私は龍太さんに聞いた通りに告げた。
「乱舞が解散したあと、そのアジトを拷問や下っ端の修行に使わせてるんだそうです。龍太さんたちは乱舞のアジトで待ってるって…」
私が言った途端、奏太さんがハンドルを急に切った。
「それ先に言え!」
奏太さんが怒鳴る。
「えぇぇぇぇっ!?」
「オマエが工場の方、先に言うから、道変えちゃったじゃねェかよ!」