【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ参
私が答えると
「だろ?」
奏太さんが、授業中の先生みたいに言った。
「だけど」
「?」
「悲しいことがあったのに、そんな笑顔でいられるのも嫌だよ!」
私の言葉に奏太さんは俯いて、それから
「じゃあ、どうすればよかった?悲しい顔してりゃ、よかったのかよ!」
怒鳴った。奏太さんの剣幕に私は驚いた。
心臓が縮み上がった。
「そうじゃなくて…!」
「じゃあ、俺ら、どうしてりゃよかったんだよ!」