【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ参
尚も怒鳴る奏太さんを、龍太さんが羽交い絞めにした。
「ぐえ!」
奏太さんが、蛙が踏みつぶされたみたいな変な声を上げた。
「何しやがるっ!」
「奏太は怒りすぎだよ!見ろよ、花蓮ちゃん、怯えてるだろ!」
奏太さんが私の顔を見て、俯いた。
「わりぃ…。けど、じゃあ、俺、どうしてりゃよかったんだ」
それを言われると、私もわからなかった。ただ、すごくわざとらしい様子見て、なんか嫌だった。
そう言うと、奏太さんは小さく
「そうか」
と言った。