【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ参
私はホッとした。
「あのね、私、去年まで自分の運命をずっと恨んでたの」
私の言葉に特に奏太さんは何も言わなかった。
「十六年間、本当に死んでもいいって、そう思ってた」
奏太さんがやっと口を開いた。
「だからあのとき、自殺しようとしてたのか」
私は頷く。
「楽になりたかった…。どうせ、誰も悲しまないってそう思っていたから」
背負い込んだ重荷を捨てて、楽になりたかった。