【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ参




「今日はもう休めよ」



 面会時間終了間際に、奏太さんが言った。



 私は大きく頷いた。奏太さんは小さく口角を上げた。



 奏太さんの笑顔がこれだ。



 奏太さんは無愛想だもん。だけど、ずっと一緒にいるから、小さな表情の変化でもわかる。



「…退院したら、またバイク乗り回そうな」



「うん!」



 私が頷くと、奏太さんは病室を出て行った。





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