【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ参



「だって、俺ら恋人同士で、もうすぐ結婚すんのにさ、一度も一緒に花火見てねェじゃん」


 どんな理屈なんですか。


「そうだね。奏太さんってば、百合さんと見てたもんね?」


 私が言うと、奏太さんが舌打ちした。


「…人のタイガー&ホース(トラウマ)を穿り返すな!」


 奏太さんが言う。私はクスクス笑った。


 だって、おもしろいんだもん、こういう反応されると。



「わ、笑うな!」


 倉庫に入ると、龍太さんと亜衣さん、湊さんが出迎えてくれた。


 その中に、瑛太さんはもういない。



< 300 / 321 >

この作品をシェア

pagetop