魅惑のくちびる

「でもさ、冗談抜きで、あたし的には松原さんと璃音ちゃんってお似合いだと思うのよ。

美男美女、みんなのあこがれの的同士だもん。

あたし、応援してるから、幸せを時々分けてよね!」


終礼当番の梶原さんは、じゃね、と手を振ってデスクを離れた。


販売流通課にいる頃からつき合ってたのに、雅城とのことは、今まで一度も噂になんてならなかったのにね。

同じ社内恋愛でも、なんで瞬とはこんなに騒がれてるんだろう?

そりゃ、雅城とは会社ではほとんど目を合わせないように意識していたけれど……。

こんな風に突然尋ねられてもうまく答えが見つからなくて、わたしはとまどうばかりだ。

< 158 / 240 >

この作品をシェア

pagetop