魅惑のくちびる
瞬との時間は本当に楽しくて、わたしを喜ばせようとする気持ちが伝わってくることが、とても嬉しく感じた。
雅城とは対照的でまったくタイプが違う男性。
会社でも、よく比べられる二人。
……でも、実際は本人が一番比べていたなんて。
きっと社内で二人を比較する声も、瞬にとっては耳をふさぎたいことだったに違いない。
だけど雅城は、何も悪いことはしていない。
ただ、まっすぐでちょっと強気で、そして、相当な意地っ張りなだけだ。
瞬が羨ましく思ってしまうようなことも、雅城がやすやすとこなしてしまうのは、努力というより天性のもの。
仕事も、前向きな姿勢も、まっすぐなところも……本人は強く意識してなんていないんだ。
欠点と言えば、実直に人を愛してしまうがゆえに、わたしも自分だけのものでいて欲しいと思う、不器用なところ……。