魅惑のくちびる
由真にはまた呆れられるかもしれない。
つい数日前に広げた雑誌で、『駄目男から逃れられない女』という記事を読んだばかりで、少し心も痛む。
けれど、わたしが雅城に戻る理由はただ一つ。
好きだから。
……それだけなんだ。
好きだからこそ、理解していたい。
一番の身近な味方でありたい。
今まではその二つだけだったけど、今日からはもう一つ加わった。
――いつまでも素敵な人であるように、よくない部分にも、意見を言える立場でありたい……って。