魅惑のくちびる
25:未来を照らす指先

会社では、秘密にしていた雅城とわたしの仲だったけれど、このごろは少しずつ社内でも一緒に行動したりするようになっていた。

もう、雅城には隠す理由は無い。

公表する必要というのもやっぱりないのかもしれないけれど、秘密にしているからいろいろとおかしくなるんだ。


「そりゃ、璃音ちゃんも松原さんとの噂を認めるわけにも行かなかったわけだ。

でもさ、やっぱり水くさいわよ。それなら北野さんが彼氏だってこと、早く言ってくれれば良かったじゃない」


後日、雅城と私との関係を知った梶原さんは、やっと謎が解けたとすっきりした顔で言った。

真相を知ったのは、やっぱり流れてきた噂からだ。

この会社の噂は、かなり当たってる確率が高く、本当に恐ろしいと思った。

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