魅惑のくちびる

行き交う人混みをかき分けながら歩く、いつもの通り道。

夕暮れの空には似合わない、傘を手にしているのが少し恥ずかしい。


それを気にしないよう、何か気を紛らわそうとしても……

思い浮かべるのは誰にも言えない、秘密の時間だけ。


こっそりと、頭の中でリピート再生しながら、家路を急いだ。

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