巫女と王子と精霊の本
「そうだ、本は!?」
私は本のページをめくる。
…だめだ……
まだ何も記されてない。
何かが記されるのを待っていては駄目。
誰かが傷ついてからじゃ遅いんだ。
マヌラ族の女の子…
エルシスに助けられた女の子……
今はそれしか情報無いけど、やるしかない!!
―ありがとう、皆!!
また来るから!!
『また遊びに来てね、巫女様!』
『頼んだよ、巫女様』
皆に見送られながら私は小屋を出た。