巫女と王子と精霊の本
「ただいまー」
「巫女様!!!」
部屋に戻るとセレナが私に飛びついてきた。
「心配いたしました!!!勝手にいなくならないで下さいませ!!」
泣きそうになったり、怒ってみたり、セレナの顔は面白い。
「ふふっ…」
「笑ってる場合では…はぁ…」
セレナは溜息をついて私に布を渡した。
これはお風呂で使うタオルのようなものだ。
「お風呂へどうぞ」
「え、そんなに臭い!?」
馬小屋に入り浸ってたからなぁ…
自分の服の臭いをくんくん嗅いでみる。
「はい、相当」
「あはは、入ってきます」
どうやら相当だったらしい。私は苦笑いを浮かべてお風呂へと向かった。