巫女と王子と精霊の本



―あれから数日後の朝、ものすごい地鳴りで目を覚ました。




―ゴォォォッ!!




「あっ…何っ!?」

「巫女様!無事ですか!?」



セレナが部屋に飛び込んでくる。



「うん、大丈夫!セレナは大丈夫!?」


「私の事などいいのです!巫女様が無事なら…」




セレナはホッと息をはきながら私の方に上着をかける。



「もしかしたら間に合わなかったのかも…」



私はベッドから出て聖服に着替える。相変わらず地鳴りは続いていた。



私は本を手に開いてみる。すると……




「……物語が…綴られてる……」


白紙が埋まっている。





―竜が現れた時、王子は勇敢にも戦いますが、大きな傷を負い、死んでしまいます。


そこに、王子に助けられた竜の血をひくマヌラ族の少女が竜を鎮めようとしますが竜には届かず、少女も竜の怒りをかい、死んでしまいました。




「っ………!!」



何度見ても胸が苦しくなる。恐くて、不安で……




未来を変えられなかったらと考えると恐くて死んでしまいそう……


























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