巫女と王子と精霊の本
「っ…地面が、揺れっ……」
立っているのがやっとなほどの地震が起こる。
「きゃっ…!!」
「ルイヴィエ!!」
よろけたルイヴィエを引き寄せて抱きしめる。
「鈴奈、ルイヴィエ!!大丈夫か!」
エルシスが私達を支える。
―竜、これはどうなって……?
『わからぬ!あやつらには手を出すなと伝えてあったはずなのだが…。どうやら我の声が届かなくなっておる。一体何が…』
竜も動揺してる……
何が起きてるの!?
『竜よ、我、竜王の声に従い静まれ!!』
―グオォォォッ!!
その竜王の言葉に竜達は反応すらしない。
「……そんな…こんな事、本には……」
「鈴奈?」
エルシスが私の名前を呼んだが頭の中が混乱して返事が出来ない。
とりあえず本を開いて未来を確かめる。
―竜王と和解した王子でしたが、竜は砦の魔女に操られ、アルサティアの大地を焼き、生き物を殺し、最後まで戦った王子とマヌラ族の少女もついには炎にのまれ命を失いました。
「……どうして!?白の結末に変えたはずなのに!!」
そんな……
新しい物語が綴られてる…………
それも…黒の結末………