巫女と王子と精霊の本
「…エルシス、これは砦の魔女が竜を操ってるせいで起きてるの。砦の魔女に心当たりはない?」
「砦の魔女?いや、聞いた事も無い…」
エルシスも分からないか……
探すのに時間がかかってしまう…
ルイヴィエの負担も大きいし…
一体どうしたら………
「…砦の魔女……」
するとセキが心当たりがあるのか考え込んでいる。
「セキ、何か心当たりが?」
「俺の故郷であるギオウ国には忘却の砦と呼ばれる魔物のすみかがある。噂にはそこに住む魔女が魔物を生み出していると聞いてギオウ国の王は巫女サマを俺にさらわせようとしたわけ。
その被害を人間の手じゃ止められないって思ったんだろうな」
「…そんな、さらわなくても、言ってくれば……」
私に何が出来るかはわからないけど、嫌がったりなんてしないのに…
「巫女サマがよくても、カイン国が巫女をみすみす他国に貸し出すとは思えない。それだけ巫女サマの存在は特別なんだよ」
…そういうもんなのかな……
だとしても人をさらうのは良くない。
この世界の人達は言葉で解決しようとする人が少ない気がする。
剣以外でだってわかり会う方法はある。