巫女と王子と精霊の本

帰還




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「すごい眺め!!」


私達はカイン国に向かって空を飛んでいる。


もちろん、魔法でもなんでもなくて、竜王自らが私達を迎えにきてくれたのだ。


『まったく、呑気なやつだな。さらわれかけたんだぞ?』


―へへっ、ごめんなさい。
でもこうして元気に生きてるんだからいいかなーって!


『のんとも、お前らしいな。突然お前との繋がりが途絶えた時はどうしたかと思ったぞ?』



エクレーネさんは呆れながらも優しかった。



エクレーネさんとの繋がりが途絶えた時…
それは多分あの人と過ごしたあの時間だ。


私の聞き間違いじゃなければ私は…



恋出来ない。
誰かを大切に想えば思うほど私の体を刻印が蝕む。


―ズキンッ


「…っ……!」


あの時、刻印を刻まれた時の痛みがよみがえる。


















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